このサイトを収益化するにあたって、必要な条件を調べました。

日本語の解説記事は大量にあるのに、一次情報にたどり着けるものが驚くほど少ないというのが率直な感想です。「必須」と書かれている条件のうち、公式文書に明文の根拠があるものは半分もありませんでした。

以下、根拠があるもの・無いもの・誰も書いていないが実際に効くものを分けて書きます。2026年8月末時点の調査です。

「AdSenseは独自ドメインが必須」→ 明文の根拠は見つからなかった

無料のサブドメイン(*.netlify.app など)ではAdSenseに通らない、という記述をよく見ます。

Googleがそう明文で禁止した公式文書は、探した範囲では存在しませんでした。 サブドメインのみで合格した事例も複数あります。

ただし、公式が要求している条件のひとつに**「サイトの所有者であることの確認」**があり、*.netlify.app はドメインの所有者がNetlify社です。ここで不利になるのは理屈として通ります。日本語圏の解説も「独自ドメインのほうが確実」でおおむね一致しています。

結論としては取ります。 根拠が無いから不要、ではなく、年1,000〜2,000円で不確実性が1つ消えるなら安いという判断です。取得後にやることは2つだけで、設定ファイルのサイトURLと robots.txt のURLを差し替えて再ビルドする。Netlifyが旧URLを自動で301リダイレクトするので、それまでのリンク資産は失われません。

「記事10〜15本」→ 公式基準ではない。でも現実には要る

これも公式の数字ではありませんでした。AdSenseが求めているのは「独自で価値あるコンテンツ」という定性的な条件です。

とはいえ、審査は人が見ます。3本しかないサイトが「独自で価値ある」と判定される確率が低いのは想像がつきます。実運用としては10〜15本を目安にしました。数字そのものより、「このサイトは続いている」と分かる状態を作るのが目的だと理解しています。

誰も強調していないが、実際に落ちる原因: 内部リンク切れ

これがいちばんの収穫でした。同じ構成(静的サイト+Netlify)で実際に落選した事例の原因が、内部リンクの404でした。

コンテンツの質の話ばかりが語られますが、審査側から見れば、リンクが切れているサイトは「メンテナンスされていない」の一言です。しかもこれは自動で検査できる種類の欠陥です。

ビルドに検査を組み込みました。

// dist配下の全HTMLから href/src を抜き、dist上で解決できるか確認する
for (const m of html.matchAll(/(?:href|src)="([^"]+)"/g)) { ... }
"build": "node scripts/gen-ogp.mjs && astro build && node scripts/check-links.mjs"

リンク切れが1本でもあればビルドが失敗します。手で確認する運用はいつか忘れるので、ビルドを落とすところまでやらないと意味がありません。 実際、記事を書くたびに1〜2件は引っかかります(スラッグの打ち間違いがほとんどです)。

アクセス解析: GA4ではなくCookieレスを選んだ

数字が見えないと記事の改善が回りません。ただしGA4はCookieを使うため、プライバシーポリシーへの追記と同意まわりの検討が発生します。

Cloudflare Web Analytics を選びました。

  • 完全無料
  • Cookieを使わない。 fingerprintingもしない
  • CloudflareのDNSを使う必要すらない。<head> にビーコンを1行貼るだけ
  • 同意バナーが不要

個人ブログの規模で、GA4の機能をフルに使う場面はまずありません。同意バナーを出さずに済むことのほうが、得られる分析軸より価値があると判断しました。

ASPは3つ。役割が違う

ASP審査何のために
A8.netなしレンタルサーバー等の高単価案件。まずここ
もしもアフィリエイトあり(数記事で通る)Amazon/楽天が最初から提携済み+売上の+12%のW報酬
バリューコマースありUdemyの案件を持っている

いちばん重要なのは2行目です。Amazonアソシエイトの直申請には「180日以内に3件の適格販売」という条件があります。 立ち上げ直後のサイトには厳しい。

もしもアフィリエイト経由なら、この条件がありません。 しかも報酬率はこちらのほうが高い。Amazonリンクを貼りたいなら、直申請ではなくもしも経由が正解でした。

登録には本名・住所・口座が必要ですが、サイト上に公開されることはありません。 サイトの表記は屋号のままで問題ないことを確認しました。

収益の桁は、AdSenseとアフィリエイトで違う

現実的な相場として拾えた数字です。

  • AdSense中心: 1PVあたり0.2〜0.3円。 月10万PVで2〜3万円
  • ASPアフィリエイト中心: 1PVあたり約1円

同じPVならアフィリエイトのほうが桁で効率がいい。ただしこれは「単価の高い案件を並べれば勝てる」という話ではありません。実際に自分が使っているものを、記事の文脈で紹介した場合の数字です。

やらないと決めたこと

  • 審査なしの広告ネットワーク(忍者AdMax等)。RPMは20円前後で、1,000PVで30円にしかなりません。収益にならないうえ、AdSense審査時に他社広告があると印象が悪い
  • プログラミングスクール案件への深入り。 単価は高い(〜55,000円)のですが、単価順で並べた紹介記事は批判されやすく、実録と数値開示で積んだ信頼を毀損します。紹介するのは自分が実際に使ったものだけに限定しました

3つ目の判断がいちばん重要です。このサイトの資産は開示している実データで、それは単価の高い1記事と引き換えにできる種類のものではありません。

法務: 特商法は不要、ただし条件つき

広告・アフィリエイトのみで運営している場合、特定商取引法の表記は不要です。 広告媒体であって販売者ではないため、表示義務の対象外になります。

ただし——有料記事・アプリの直販・電子書籍の販売を始めた瞬間に義務が発生します。 そのときは屋号だけでは足りず、本名・住所・電話番号の掲載が必要です。個人でやるなら、ここは事前に覚悟がいる分岐点です。

**ステマ規制(景品表示法、2023-10-01施行)**は明確です。対価が発生する記事には「PR」表記が必須で、ASPの規約でも義務付けられています。違反時は2年以下の懲役または300万円以下の罰金。

仕組みで守ることにしました。記事のメタデータに1行書くと、本文の冒頭にPR表記が出ます。

pr: true

「書き忘れ」で違法になる設計にしない。 判断が要るのは「対価が発生するか」だけで、表示のほうは機械にやらせます。

案件・スポンサーは、PVでは来なかった

「月◯PVから執筆依頼が来る」という公開された閾値は見つかりませんでした。 探した限り、そういう基準は存在しません。

実態として観測できたのは、**「Zenn/Qiitaで記事が伸びる → X経由で企業の担当者から直接DM」**という経路です。自サイトのPVそのものより、Xのフォロワーと技術コミュニティでの認知が効いている。

なので方針を変えました。同じ記事をZennにも出します。 自サイトはSEO資産とポートフォリオとして機能させ、露出はプラットフォーム側で取る。Zennにはバッジという投げ銭(300〜5,000円)と本の販売もあります。

いまの現在地

項目状態
記事数21本
プライバシーポリシー / 運営者情報用意済み
内部リンク切れ0件(ビルドで検査)
OGP・sitemap・robots.txt用意済み
PR表記の仕組み実装済み
独自ドメイン未取得
アクセス解析未導入
ASP登録・AdSense申請

残っているのは、どれも「調べる」ではなく「手を動かして登録する」だけの作業です。 調査に半日かけて分かったのは、収益化の難所は審査の条件ではなく、条件を満たしたあとに毎週記事を出し続けられるかのほうだ、ということでした。

数字が出たら、実額をそのまま公開します。


コスト側は既に全部公開しています(アプリ3本を1ヶ月動かして請求額22円)。収益側も同じ粒度で出すつもりです。